世界の白っぽい浜の多くは石英でできている。花崗岩のなかでいちばんしぶとい鉱物で、やわらかいものがほとんど擦り減ってしまう川の長旅を生き延びる。表面の薄い酸化鉄の膜が、それをベージュや金色へと温める。熱帯の島々のまぶしい白砂は、まったく別の素材だ。サンゴや貝殻、石灰をつくる藻のかけらで、そのかなりの部分は、礁をかじって回るブダイが噛み取り、細かくすり潰したものだという。
黒い砂は玄武岩から来る。冷えた溶岩が波に砕かれたもので、だからアイスランドやハワイ、カナリア諸島のような火山の海岸に集まる。岩にかんらん石が多ければ、粒はオリーブ色の緑になる。ハワイ島南端のパパコレアがその例だ。バハマのハーバー島の桃色の浜は、有孔虫に色を負っている。赤い殻をもつ単細胞の生きもので、打ち上げられて白いサンゴ砂に混じる。砂はめったに遠くへ旅しないから、浜はたいてい、すぐ背後にある岩の肖像になる。
写真のなかでは、砂はレフ板の役も果たす。白いサンゴ砂は光を影のほうへ跳ね返し、浅瀬がターコイズに見える理由の半分はそこにある。黒い砂は光を飲み込み、コントラストを波の泡と濡れた波打ち際に預ける。画面の上でも、この違いは実際的だ。明るい浜はデスクトップ全体の明るさを持ち上げ、白いアイコンの文字の足場をほとんど奪ってしまう。暗い浜は画面を静かに保ち、白い波の一本線に絵を描かせる。