屋外のピンクは日持ちがしない。日が沈んだあと数分だけ現れ、桜の枝の上で一週間ほど粘って、それきり消える。これだけ稀な色なのに、扱いはやけに軽い。包装紙、プラスチックの小物、はじめから長持ちを期待されていないもの——そういうところにばかり回されてくる。
カメラも味方をしてくれない。ピンクはヒストグラムの右寄りにいて彩度の余白がほとんどないので、露出を三分の一段与えすぎるだけで白に潰れ、ホワイトバランスを暖色に振ればくすんだサーモンに引きずられる。覚えておく価値のある例外が花びらだ。逆光を当てるとピンクが層に分かれる。あの色は表面にあったのではなく、透けてきた光そのものだったからだ。
画面の上では話が逆になる。ピンクはアイコンの後ろにおとなしく座っていない。前へ出て、見てくれと言い、背景であることをやめてしまう。デスクトップで一週間もつのは薄められたピンクのほうだ。霧に押さえられたピンク、風景の遠い端まで追いやられたピンク、灰色を十分に混ぜて二番目に気づく程度になったピンク。残すというのは、たいてい、まだかろうじて名前を呼べるところまで暗くすることを指す。